好きなもの雑記

好きなものについて色々書きます。たまに愚痴る

父について

 今週のお題「お父さん」…父の日だったもんね。

 

 私の父親はちょっと変わった人だ。髪が金髪だったこともスパイラルパーマだったこともあるし、まっ黄色のダウンジャケットを着てその下はアロハシャツだったり、おおよそのことを「自分が好きだから」で決める人だ。

 自分の娘が中学生にもなったら公開授業に来る親なんて一握りだが、父は毎回のように父親らしからぬ服装で来ては1時間参観し、笑顔で手を振って帰っていく。荒れた中学のスクールカースト最底辺だった私は、その後少し居づらい気分だったりした。

 

 スーツを着た父なんて、人が結婚した時か亡くなった時しか見ない。夏はアロハシャツやTシャツに短パンとサンダル。冬はジーパンにタイダイのパーカーや真っ黄色のダウン。プロレスラーのような体型にスパイラルパーマでアロハシャツはなかなか目立つ。

 そして結婚20年以上経っている母のことを可愛い可愛いと言い続け、結婚式の写真を見せては「ママがどれだけ可愛いか」を力説してくる。実にご馳走様である。両親がキスをするところを見たことがない人がいるらしいが、我が家では日常的なことである。

 酒が一滴も飲めない体質なのに面白いからという理由で飲み会に呼ばれ、飲めないのに呼んで悪いという酒飲みたちにコーラとウーロン茶をガブガブ飲まされている。義父(私の祖父)も父を連れて焼鳥屋に行くのが好きだ。年末年始の父は飲めない飲み会続きで我が家では太鼓持ちとすらあだ名されている。

 車が大好きで、ラジコンに釣り、カメラ、革、とにかくいろいろなことが大好きで豆腐作りにハマったりうどんを打ち始めたりと何にでも好奇心を示す器用な人だ。しかし、絵は全く描けずアンパンマン……(?)のようなものがやっとだ。

 

 これだけ書いたら父親という枠で見るとちょっと変わった人だと分かってもらえると思う。それを引っ張ったりついて行ったり叱ったりする母もまた変わった人ではある。変わった人に恵まれ、やはり祖父母もちょっと変わった人、そのまた曽祖父母も変わった人、変わり者同士がくっついていく家系なのだろうか。 

 そんな父を慕う彼氏も変わっている。なんなら父に似ている。真冬の戸外で2時間も車の話をしていた。カメラと写真が大好きで酒が好き。私の家に来ては父と趣味の話をして母とヱビスを飲んでいる。

普通に我が家に泊まり、ご飯を食べている。「お母さんの料理最高ですね!」さては何にも言わない弟に飯を食わせることより彼氏に食わせる方が楽しいんじゃないだろうか……?すかさず父がお代わりをしようと立ち上がりながら「そうだろう、そうだろう。」そして二杯目は太るのでやめろと叱られ手ぶらで戻ってくる。

 

 父と母が早くに結婚したのは、私が産まれるとなったからである。「お前が来たからママと結婚できたんだ。俺にとっては天使だ。」と小さい頃から言われて育った。実際、私ができなかったら母は生涯結婚しなかったかもしれない。(本人談)

父は、夢を叶えて生きてきた人である。自力も他力も運も含めて、大抵の夢は叶えてきたようだし叶えるつもりのようだ。

 そんな私に「早く結婚しろ。」「俺はお前の結婚式で糸を歌うんだ!」などと今は楽しそうに言っているが私にはわかる。いざ結婚式となったら、私が嫁に行くとなったら、スーツより慣れないモーニングを着た父は周りを憚らず男泣きに泣くだろう。そんな予定はまだないので答え合わせはできないが、そんな気がする。