好きなもの雑記

好きなものについて色々書きます。たまに愚痴る

ツィゴイネルワイゼンを観た

 ツィゴイネルワイゼンを観た。それも昨日、渋谷のユーロスペースでデジタルリマスター版が上映されると知って早速行って観た。

 

 まず、私はあらすじを一切見ずに写真だけで犬神家の一族的な八つ墓村のような、横溝正史風味のジトジト映画を期待して行った。

そんな私を打ち砕くように、序盤のクレジットでスチールが荒木経惟、出演に麿赤兒と出て「これはもしかしたら、私がダメなやつかもしれない」とうっすら思った。

そして最初の女の水死体の股から真っ赤な蟹が出てくるシーンでそれは確信に変わった。

その次の琵琶を持った瞽女3人組(男2人女1人)の女が、琵琶に合わせて股を閉じたり開いたりするのを村人が眺めているシーンで「やっぱりこの映画、高熱を出した時か胃腸炎の時に見る悪夢だ…」と思った。

 

 そこから先は中砂が話すたびに麻原彰晃がチラつき、色々としんどかった。

そして途中、砂地で緊縛暗黒舞踊が始まった瞬間になんとか理解しようと思っていた精神が消え、「この映画、今ここにいる人の誰にもわかってねぇんじゃねえかな…」みたいな気分になってしまった。

 しかも私は今、妊娠8ヶ月である。その少し前からお腹が頻繁に張ってきていて、HPとMPを吸い取られている感があった。

 

 なんて胎教に悪い映画なんだろうか…などと思いながら、結局は最後まで観た。

そして帰り道に、一緒に観ていた夫が「最後のシーンの小銭って何?」と聞いてきた。

この人は20代後半だが通夜・葬式に1回も出たことがないのであった。

あれは三途の川の渡し賃で六文銭だと教えながら、帰宅した。

 

 そのあと帰宅して夜10時ごろから更に頻繁にお腹が張り、急いで救急外来にかかった。

普段全くお腹が張らないので半泣きになって病院に行った。

結局無事であったが、1万ちょっとかかってしまった。

無事に越したことはないので構わないのだが、ツィゴイネルワイゼンを観ることはもう二度とないだろう。

 私の父はタイタニックを見るたびに、何回もひどい盲腸だ急性肝炎だとそれぞれ1ヶ月ほど入院していた。

それ以来、我が家ではタイタニックが流されることもなく、金曜ロードショーで放送されてもスルーである。

父曰く、自分にとってタイタニックは呪いの映画とのことだ。

 私も映画のせいでこうなったとは言わないが、今回はなんだか色々と吸い取られたような気がしてならない。