あの香水の歌が癪に触る理由
私は今流行りの、あの香水の歌が大嫌いである。
歌詞は概ね「香水のせいで過去の女を思い出しちゃった、ドルガバの香水のせいだよエーン」という、女が腐ったようなものである。
こんな心境になる男は女が腐ったような奴だが、3年ぶりに連絡を寄越すような女も女が腐ったような奴である。
大体、この3年間に男は何をしていたのか。ドルガバの香水をつける女と付き合うくらいだから、そこそこ経験もあるはずである。3年の間に別の女ができる、彼女が現在進行形でいるという線すらある。
また君にフラれるんだと言っているが、当たり前だ。3年間もグズグズする男をもう一度好きになれると思っているのか?
それに、遅かれ早かれ、新しい彼女に過去の女に関する失言をしてフラれる。
次は何の香水のせいだ?Diorか?CHANELか?Jillか?
別に君といたいわけじゃない…みたいなネチネチした態度も気に入らない。じゃあなぜ思い出すんだ?ああ、ドルガバのせいか。君はこれから先も何かのせいにして自分の弱さから逃げるのか。
元カノがタバコ吸ってることについて悲しくない、君が変わっただけだから…実に気に入らない。だからお前はフラれるんだ。個人の選択を、悲しくないよ悲しくないよ、とわざわざ言うからだ。お前が変わらなさすぎるだけである。
3年ぶりに連絡を寄越した女もなんなんだ?
結局この男が良かったな〜とか思っての「いつ空いてるの?」なのか?
3年間も取っ替え引っ替えであったのに、自分の香水の匂いを忘れられない女々しい男が最高だったのか?
最初からその見る目のなさを窺い知れるが、本当に見る目がない。
その男に新しい女がいたらどうする?修羅場で勝つつもりか?あたしみたいな女がその男の彼女だったら、この女は路上でボコボコにされる。
そんな危険なことをするつもりなのだろうか。まあ、するんだろう。破れ鍋に綴じ蓋みたいな男と女だもんな。2人とも仲良くボコボコである。
女は全てフォルトゥーナである。後ろ髪はない。チャンスと女は後から掴めないものだ。
わざわざ掴ませに行くあたりが女が腐ったような女である所以である。後から掴めるとか貧乏神かよ。
それに、結局会ってんじゃねぇか。
君と楽しい頃に戻りたいわけじゃないけど戻りたい。「もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」の劣化最新版か? マイクロソフトもWindows XP以降はクソだもんな。
やしきたかじんの「やっぱ好きやねん」を聴いてからこういう歌を書いてほしい。
甘ったれやがってふざけるな、ドルガバの香水のせいにしている限り何も良いことはない。
あの人が恋しいなら「横浜ホンキートンク・ブルース」を松田優作ばりに一度だけ歌いあげて新しい女を探しに行け。しなしななよなよしてるからこんな目に遭うのだ。さっぱり忘れてしまえ。
後から掴めるものに価値があるか?
チャンスは2度も来ない。後から来るチャンスと思ってしまうものは大抵がネズミ講みたいなインチキ貧乏神だろうが。だからお前はドルガバ女に良いように使われるんだ。どうせ手頃な年収、まあまあの容姿、軽く優しくて優柔不断なんだろう。1番制御しやすくて吸い取りやすい。こういう女は全て吸い取るぞ。えー、どうしようかな…とかやってる間に。
香水に共感できない歪んだ人間も不幸だが、共感できる人間も不幸である。